第1回T-CLUB杯 6月21日(金)実施 ト-ナメント結果はこちら
記念すべき第1回の開催ということで、マキノ氏が観戦記を書いてくれました。楽しみながら長く続くといいですね。 次回は7月に企画します。パステラントさんが金曜まで忙しいらしいので、土曜日月一で開催にしたいと思っています。
T−CLUB
マキノの大会レポート〔スタート編〕
9時スタートの大会。8時に大阪道場に入るが、誰も居ない。当たり前か。ドイツVSアメリカの開始を眺めていたが、心ここにあらざる心境。息子が横で「パパ、応援するから勝ってよ。」と言っている。皆、無事にログインしてくれるだろうか。8時45分、first
loveを発見。しかし、先約待にしているではないか。「ラブ、お前は10時からや。何を入れ込んでるんや。やっぱ、ブランク永井か。」伝えたくとも、誰かの対局を観戦していないので、無理。電話する気にもなれない。間違って東京道場に入っている人、居ないかな。チェックすると居た居た。dakushuだ。幸い観戦中だったので、直通チャットで「大阪道場に入り直す」旨を伝達。反応なし。おいおい大丈夫かよ。やがて、pickle
makerもログイン。newsman、 runaway、 tensai animalが続々とログイン。雰囲気が出てきた。地域名にT-CLUBが並んできたではないか。TAJIMAINAKASINSIはまだ来ない。不戦勝か。そうこうしている内に、定刻の9時となる。dakushuとpickleの一戦を観戦する。するとTAJIMAINAKASINSIのログインを発見。しかし、ここで問題が発生。フリーで待っていた。やむを得ず、携帯でレーティングに変更する旨を伝えた。次ぎに「しまった。400点差の相手には挑戦できないんだった。」再び、携帯で連絡。そちらから挑戦して頂く旨を伝え、ようやくスタート。以下、ホームページ掲載の如き、熱い戦いが繰り広げられた。
棋譜 pickle maker vs dakusyu makino-ryouko vs TAJIMAINAKASINNSI
pickle maker vs newsman tensaianimal vs runaway makino-ryouko vs TK
newsman vs runaway first love vs TK first love vs newsman
注目の下図は dakusyu pickle戦で現れた駒柱。一同、アッとさけびましたね。

マキノの大会レポート〔将棋解説&エピソード編〕
一回戦第1局〈pickle maker 対 dakusyu〉
輝かしい歴史に残るオープニングゲームは相穴熊。この将棋が、本大会随一の熱戦・好勝負と
なった。先手の41手目では、38金寄と締まっておきたかった。桂の活用を封じる意図では
あったが、結果的にはこの伸び筋を逆用されてしまった。
95手目が本局の大きなポイント。8三と、で飛車の入手は確定しているのだから、思いきって
3ニ飛成と切るか、逃げずに(例えば8三と)金で取らせるか。いずれにせよ、金得になる局面
であつた。単に飛車を逃げたのがつまらない一手。
飛車を見捨てる(死んでいるので当然ではあるが)間に、桂香で2七の地点を狙ったのは、後手の好判断。128手目は、3七歩を一本打ちたい所。135手目の飛車の打ち場所など、先手が少しずつ損をしている。先手の意気込みが、プレッシャーと焦りを生んだ一局。
駒柱(109手目)も出現し、話題の多い一局であった。
エピソードとしては、newsman が絶賛していた。「何か大切な物を思い起こさせてくれたような、
そんな将棋だ。」と。とても級位者とは思えないしっかりした内容に、観戦者一同感動した一局。
一回戦第2局〈makino-ryouko 対 TAJIMAINAKASINSI〉
スタートに多少手間取った一局は、四間飛車対右四間穴熊の戦い。25手目の開戦には正直驚いた。後手としても、こういう形は、黙って歩を取るのが殆ど正解としたもの。金気のフォーローがないまま桂を跳ねた先手の構想はどうだったか。37手目を同桂は、4六から桂でも角でも打って手になると思っていたが、さすがにこれを取れない様では、先手苦しい。最後は錯覚であろう。
400点以上差特別ルール(上手への戦形指定)の打診の際、「角落ちで頼む」とお願いされて、心臓が止まりそうだった。
T-CLUB杯初勝利を挙げて、嬉しかった。
敗れた先手は、感想戦なしの即去り。『光速の去り』の称号を授与すべきか、現在検討中である。
ニ回戦第1局〈newsman 対 pickle maker〉
指定戦法は、4五歩早仕掛けの実現であったらしい。9筋突き捨て4三歩型へと進む。46手目は4一飛打もある。以下、3三桂から一局。55手目の銀打ちが実現しては、居飛車としても満足のいく展開だ。2ニ飛と打ち下ろした局面では、はっきり先手がいいはずなのだが…。
問題は65手目からの決め方である。理想を云えば、ここでいきなり桂を捨てず、先に本譜の様に、馬で金を取って、6ニ金と打つ。これは同金の一手(本譜のような7一歩受けでは、6三の金が只だから無効)で、そこで7四桂と跳ねる。以下、9三玉以外だと、6ニ飛成の後に王手で7ニの銀を取れる形になるので、勝勢のはずである。
しかし、残念ながら本局の様に、後手から7五桂を一本入れられると、受け一方になってしまう。先手陣が、6八金の横利きで即詰みの順を逃れていれば、惜しい手順前後と云えたのだが…。
以下の進行を見る限り、7一歩の一手で攻めが頓挫しているし、7七桂に対する7六銀が、先手玉を捉える大きな拠点となってしまった。
最後は、的確な寄せで、振飛車が押し切った将棋である。
pickle makerの大健闘に拍手拍手。
ニ回戦第2局〈tensai animal 対 runaway〉
後手の四間飛車穴熊に対し、先手も居飛穴に囲った一戦。43手目以降の中盤の戦いは、一手一手が難しい展開であるが、一連の流れを見ると、手を殺し合う展開が続き、相当な神経戦であった
と思う。両対局者とも、実際の狙いは本譜とはかなりかけ離れた形を描いていたのではないだろうか。59手目の逃げ方は、おかしい。馬を手順に作られての、銀助け金上がりでは辛い。怖くても4六飛と寄っておくべきだ。戻って、後手も馬作りが目的だったならば、58手目の3五角では、4八から打てば紛れがない。
77手目の3五歩が、大きなお手伝いとなった。以下、囲いの金気との二枚替が実現しては致命的。
もっとも、81手目は、何か勘違いか錯覚だったと思われる。
一回戦のオープニングゲームを、終盤まで観戦していた両対局者。最後まで見られないのが残念という感じで、自身の試合を迎えたのが印象的だった。
ニ回戦第3局〈first love 対 Astrid〉
Astridの不参加による、first loveの不戦勝。
これにより、一回戦と二回戦を充分に観戦できたfirst loveである。
ニ回戦第4局〈makino-ryouko 対 TK〉
振飛車党の後手に対する作戦は、一回戦同様、右四間穴熊に決めて臨んだ一局。しかし、TKの指し方が無難に収拾するとは思えなかった。案の定、4五歩と突いて来た。手将棋の決戦である。
83角成の後は、お互いに構想力の巧拙に勝負が委ねられる展開。6四歩の狙いは、馬の引き場所を牽制・限定する意味。対する先手の指し方はまずかった。ここでダイレクトに8四馬では8ニ飛以下龍を作られるのを不満と思い、前線で突っ張ってみる作戦に出たのだが…。
馬という駒に、サッカーでのフォワードを任せるには、やはり決定力不足。時にはお荷物になる。
「馬は自陣に引け」と云われる様に、ボランチ(守備的ミッドフィルダー)を任せるべきだった。
この当たりのマキノ采配には、多いに疑問が生ずる。
28手目の歩突きには愕然。8ニに飛車を回られると、何と馬が死んで馬刺しで食べられてしまうではないか。ここは、6五桂跳ね(開き王手になるので直ぐには跳ねられない)の狙いで、62銀とでも締まるのかと思っていた。故に、8ニ飛回りの筋も軽視していた。故に、端歩突きの狙いを思いついた。全てのバランスを崩していたのである。
28手目の局面に戻る。「待てよ。この歩は只ではないか。」世の中、只ほど怖い物はない。30手目の4七角打で、この将棋は終わっている。30手目である。相居玉の急戦とはいえ、リレー将棋で云うならば、次ぎの仲間へのバトンタッチの時である。5六銀引で受かっていると思っていたら、何と6九角成があるではないか。後は、後手の為すがまま、きゅうりがぱぱ(茄子がママ、胡瓜がパパ)状態であった。
Astrid同様、なかなか現れないTKであった。何かのアクシデントでもあったのかと、心配していた。10分経過して現れなければ不戦敗、のルールを確認するも、とにかく対戦したかったので、
待つ事にした。10時20分まで待ってみよう、の会長命令に従って、オープニングゲームを観戦している時、突然TKの文字が飛び込んで来た。思わず「やろう」と言い、始まった将棋である。
対局中、遅れた事のお詫びと、出場の喜びをチャットで答えるTKであった。
しかし、彼の本性を垣間見た。序盤、さんざん戦法についてチャットを送りつつ指していながら、44手目が指された時に、「それそれ。それがあるんだねぇ。」と当方が打つと、「ノーコメント」と返してきた。TK氏は、なかなかの策略家、試合巧者である。
投了後、マジ喜びの彼であった。
準決勝第1局〈newsman 対 runaway〉
居飛穴に銀冠中飛車。両者予定の作戦なのか、淡々とした駒組みが続く。65手目の飛車回りの手は、意味不明。回るにしては、重い筋である。4筋に戻している点など、手稼ぎの意味があるのだろうか。71手目の感覚も、私には理解しがたい。歩を取りに行くにしても、77金を寄せていくのは、何か悪い順でもあるのだろうか。
112手目は、8七歩でも良いのだろうが、取られる状態の駒を先に処理する感覚が当然か。
120手目は、7八飛成で勝ち。早く決めるべきだった。
本大会最大のエピソードが、この一局で生じた。
実は、数名がfirst love 対TKのもう一つの準決勝を観戦していたのだが、終局と同時に、こちらの対局へ流れてきた。その時、既に2名の観戦者が居た。ネットで大会開催を公開している故、
サークルメンバー以外が居ても不思議ではないし、嬉しかったのだが…。
局面は終盤であった。tensai animalが「誰か、解説しなよ」とチャットを打つと、すかさず「まきのくん辺りにお願い」というチャットが入った。
しかし、送信の主は、メンバー外で知らない人物である。数名居る中で、何故私を指名するのか。
しかも君付けである。「あのー、ところでお宅はどちら様でしょうか」と問えば、「わしや、わし。」と親父ギャグしか帰ってこない。「お見事」と一言返しておいた。
この続きが、決勝戦まで尾を引く事となった。
準決勝第2局〈first love 対 TK〉
注目の好カード。ネット外も含めて、初対決である。
先手の振穴に対し、後手の作戦は左美濃である。居飛穴を止めた、何らかの実戦心理があったのかもしれない。
49手目の角覗きで、先手が少しポイントを稼いだ感じがする。端を突いておけば、先手の飛先も換えられないままだったのだが。
6四歩以下、角を呼び出したのは、一長一短。先手も、どこかで8六の歩を取る余裕が欲しかったが。63手目は銀ではなく、飛車が走るべきだろう。本譜の順は、手数もかかり、やや重い指しまわしであった。70手目、ここで歩を成るのであれば、二手前の香打ちは、時間稼ぎ、若しくは犠打の感がする。6ニ同香で悪い何かを感じたか。
91手目は、時間に終われたミス。4三成桂と寄って、終わっていた。局後のTK氏曰く、指してから気づいたとの事。
後手は、飛車を切って2ニ金。この金打ちで、粘りの有る陣形になった。first loveの本領発揮の
一手と云える。
101手目、強く同銀と取れなかったか。1六桂からの絡みは実現しそうである。続く103手目の
受けが、かえって寄せやすくさせてしまった。
最後は、必至。角銀を渡さずに凌ぎ、金で陣形を整え、金で決める。逆転勝であった。
私は、pickle maker・runawayと共に観戦していた。本局で印象に残っているのは、68手目の香打ちと110手目の金打ちである。前者は、歩を頭に打たれた後、取らずにいた事。後者は、私なら4八から打っており、深過ぎないか、と心配した事。
この辺りについて、「ラブもブランク永井だからなぁ。」とチャットを打つと、pickle makerから「意味が判らない」との質問を受けたので、説明する事になった。
「あのね、ラブはネット将棋暫く離れていたのね。つまりブランクがある訳。こういう人の事を、歌手のフランク永井にシャレて、『こいつはブランク永井(長い)だ』と、言うのね。判った?」
pickle maker 氏は直ぐ理解してくれ、多いにウケてくれました。相当経ってから、runaway氏が、「あぁ、やっと意味が判りました。」とチャットしてきました。ブとフの濁点のあるなしや、
永井は長いの意味である事、をチャット画面で確認できないと、確かに意味は判り辛いのである。
決勝戦〈newsman 対 first love〉
いよいよ決勝戦である。対局者には申し訳ないが、昔から「大勝負に名局なし」と云われて来た事が、本局でも当てはまった。しかも、エンディングに予想もしなかった事が発生したのである。
先手の中飛車に対し、後手の作戦が注目されたが、角道を止めた7ニ飛戦法の様になった。後手の狙いが、最初からこうだったとは思えず、手順の違いで止む無く組まされた、と見ているのだが、
読者諸氏は如何であろうか。
46手目、「7四飛と一段控えて打てば良かった」と対局後のfirst loveの感想である。本譜では、7六歩を同飛と取れば、6七銀の逆先で逃れている仕掛けとなっている。
飛金交換から、何とか二枚替に持っていこうとする後手だが、先手の二枚飛車攻撃は相当なもの。
逆に、先手から二枚替に持って行かれた。特に、玉周辺の金銀と換えられるのは致命的である。
そして、66手目である。4三金は、4ニ金と打ちたかったはずであり、局後の第一声で後手は、クリックミスを認めていた。
67手目の銀打ちで後手投了。あっけない幕切れではあったが、皆大会が成功した事での興奮が冷め遣らず、各自がチャットで心情を吐露し合っていた。
準決勝での謎の人物に対し、pickle maker氏が追跡調査。「さっきの人、12級で指してます」とのチャットが入る。気になっていた私は、「見に行ってやる」と言い放ち、この決勝戦を一時中座した。runaway と tensai animalも一緒に訪れてくれた。
「どうでした?」との問いには、「下手だった。」としか言えなかった。
大会中での結論は、某時計店店主が張本人であり、HNは御子息用のもの。ネット対局は、父子適当に遊んでいるもの、と相成った。あの時間帯に、息子が本当に指していたとすれば、相当な夜更かし小学生である。
では、本当に棋力12級を有した実在の人物だったのであろうか。それにしては、馴れ馴れしい言葉使いであった。一体、誰だったのだろう。謎は深まるばかりである。IDは私より古かった。
チャットの言葉は関西便であった事も、状況証拠として保存しておかなければならない。
皆、大会が開催できた事、無事に終了した事で、感極まっていた。あの状況は、ちょっと言葉では言い表せない、言い尽くせない。
参加した我々の胸の中に、大切に仕舞っておきたい。
《 表 彰 》
優 勝 newsman
準優勝 first love
第3位 runaway
TK
敢闘賞 pickle maker オープニングゲームの熱戦を制し、二回戦も善戦。
話題賞 dakusyu 駒柱を出現させた。
カムバック賞 tensai animal 久しぶりのレ-ティング対局を経験。
TAJIMAINAKASINSI 〃
フェアプレー賞 makino-ryouko 遅刻失格者の相手を待ち、下手特典を使わず戦った。
珍プレー賞 first love 決勝戦最終手で、痛恨のクリックミス。
慌てたで賞 TK 対局開始時間に18分遅れ、アセアセ状態で参入。
連絡をしま賞 Astrid 不出場であったが、その旨の連絡が皆無であった。
喋り疲れたで賞 makino-ryouko 将棋の解説、ギャグなど、チャット名人の本領発揮。